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齋藤孝  「天才になる瞬間」  3日目(その2)


手塚治虫は自著「ぼくのマンガ人生」でこう語っています。 齋藤孝  「天才になる瞬間」  3日目(その2)


手塚治虫は自著「ぼくのマンガ人生」でこう語っています。




「8月15日の大阪の町を見て
 あと数10年は生きられるという実感がわいてきたのです。
 ほんとうにうれしかった。
 ぼくのそれまでの人生の中で最高の体験でした。
 それがこの40年間、ぼくのマンガを書く支えになっています。

 


 つまり、生きていたという感慨
 生命のありがたさというようなものが
 意識しなくても自然に出てしまうのです。
 そのくらいショックだったわけです」




戦争を体験した世代の多くは
この不快な刺激をエネルギーに変えて
日本の経済や産業の発展に尽くしてきました。


手塚治虫もまた、戦争をくぐり抜けたことで
明確な方向性を見つけ出したのです。


「不愉快な刺激」→「怒り」→「仕事や作品」というように
プラスに変換できてこそ、天才の領域に突き抜けることが
可能になるのです。




そしてデビューしてからも、手塚に新たな不愉快さが襲います。
それは、「手塚の時代は終わった」と、ささやかれた時期でした。


その頃は、「あしたのジョー」などのスポ根マンガの大ブレイクや
一方では「ハレンチ学園」といったエロティックなマンガも
少年誌に登場するようになっていました。
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